営業女子のつぶやき〜派遣業界で頑張ってます〜

人材派遣会社の営業が、日常を書き綴っていきます。良い事ばかりじゃないけれど、悪い事ばかりでもない。そんな毎日を、少しでも楽しんでいただけると嬉しいです。

派遣営業のリアル①〜涙と涙と涙の研修期間〜

もう遥か彼方、14年前の出来事ですが、今の会社に中と入社した当時のことを、書きたいと思います。

4月入社だったこともあり、中途入社は総勢20名。同じ日に新卒の入社式もあったようですが、我々中途は初日から研修スタート。

ます初めに、自己紹介。①前職で何をしていたか? ②この会社で何がしたいか? この2つを絡めて自己紹介せよとの指示でした。

私の自己紹介は、こんな感じ。

「前職では、総務部で働いていました。人事異動をする側の部署でしたが、適材適所の配置だと、イキイキと働けるけど、ミスマッチな職場で、精神的に病んでしまったりする人を見てきました。この会社では、仕事を探している人が、イキイキと働ける職場に出会うための、お手伝いができたらと思っています!」

我ながら、良いこと言ったなぁと満足気に着席したのですが、早速の洗礼。研修担当の社員から一言。

「勘違いしないで下さい。私達の仕事は、求職者に仕事を探すことではなく、企業からの依頼にマッチする人を探すことです。そんな綺麗事は、今日限りにして下さい」

怖っ!やばっ!

私達同期は、初日にして心を一つにすることが出来たわけですが、私より後に自己紹介する人達は、完全に怯えてしまい、②この会社で何がしたいか?については、コメントしないという暗黙のルールになりました。

そんな感じでスタートした研修、最初の3日間はひたすら法律の勉強。労働基準法、労働契約法、労働者派遣法。そして毎日の小テスト。点数は同期みんなに公開されるので、必死でやりました。

その後、職種別に分かれての研修が始まり、コーディネーター職で入社した私は、休職者の方との面談のトレーニングに。

これが本当に大変でした。

まず、先輩の面談に同席を2回。2回見ただけで、3回目は自分でやってみなさいという、超スパルタ。初めて会った、自分より遥かに経験豊富な方を相手に、何を話し何を聞くのか分かるはずもなく、上手く話せるわけもなく、ズタボロになりました。

そしてそれ以上に恐ろしかったのが、面談後の先輩社員からのお小言。目線が動き過ぎ、手が動いて気になる、ヘラヘラ笑うな、この口癖がイラつくなどなど、まあ遠慮なくビシバシと指摘されます。

今の時代なら、なんちゃらハラスメントですが、当時は愛のムチで片付けられていたので、もう何とか耐えるしかない。心の中で「いつか仕返ししてやるかなら」と、念仏のように唱えながら、乗り切りました。

研修は約1ヶ月。その間に同期が3人減りましたが、無事に現場に配属。研修の恐ろしさからすると、これからどれだけ過酷な日々が始まるのか・・・。

と思っていたのですが、現実はそうではありませんでした。配属先の先輩、みんなめっちゃ優しい♪全然怒らない♪

後日聞いたところによると、研修はあえて厳しくしているとのこと。現場に出ると、辛いこと理不尽なことの連続なので、この研修に耐えられなければ、現場でやるのは無理。現場に出てからリタイアするよりは、研修中のリタイアの方が、お互い傷が浅いから、というのが理由のようです。

その真実を聞いて、思いました。

怖っ!やばっ!

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派遣営業の1日〜A HAPPY DAY〜

誰も知りたくはないと思いますが、派遣営業がどんな1日を送っているか?について、お話しします。私生活については、さらに知りたくはないと思うので、朝は9時からスタート。

毎日こうだったらいいのにという、平和で幸せな1日をご覧下さい。

9時〜10時
・メールチェック、返信
→出来る人はメールの返信が早い、と何かのビジネス本で読んだので、返せるものはすぐに返します。送信元では判断しません。

10時〜12時
・アポイント先への訪問
→就業中の派遣スタッフの方の状況確認の面談。まずは、派遣先担当者と雑談(天気の話、コロナの話)、うちの派遣スタッフの方がどれだけ頑張ってて、どれだけ助かってるか?のエピソード収集。自分の事じゃないのに、自分が褒められた錯覚を起こし、すこぶる上機嫌に。
その後、派遣スタッフの方を呼び、収集したエピソードを用いながら、評価されていること、感謝の気持ちを伝える。熱が入り過ぎて、話を盛っていないか疑われるが、ビシバシ否定。

12時〜13時
・ランチ&午前中に来たメールチェック&返信
→基本、自席で自作のお弁当を食べる。早食いなので、ゆっくり食べるためにも、メールチェックしながら食べる。行儀は気にしない。

13時〜15時
・職場見学
→緊張をほぐすためのネタが、全て大ウケ。駅から就業先までの10分の間で、派遣スタッフの方のハートをガッチリ掴んだ達成感に酔いしれたまま、職場見学に。スタッフの方も、緊張し過ぎず、質問なども積極的にしてくれて、疑問も解消!無事に就業が決定!

15時〜16時
・アポイント先への訪問
→就業開始2週間ぐらいのスタッフの方と面談。開口一番、「仕事が楽しい!」とのお言葉をいただき、上機嫌を通り越して有頂天になる。この仕事をしていて、1番嬉しい瞬間。

16時30分〜18時30分
・会社に戻って事務処理
→まずはメールチェックと返信。今日来たメールは今日返す(定時内に限る)がモットーなので、とにかく返しまくる。確認が必要なメールには、「確認するので、○日まで待たれよ」と返信。
→今日、職場見学をして就業決定した仕事の契約作成。今日やれることは今日やる!それがモットー。

18時30分
・退社
→偶然を装い、仲のいい同僚と駅まで歩く。今日の自分の頑張りや、いかに幸せな日だったかを、盛大に自慢する。次回から、自画自賛は1件につき300円の有料制度になることに合意。

現実には、ずーっといいことばかりの1日は、年に1回あるかないかです。が、年に1回でもあれば、私は幸せです。

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派遣営業の志望動機〜どうして派遣業界に飛び込んだのか?〜

今は、派遣営業として働いていますが、新卒でこの業界に飛び込んだわけではありません。27歳に時に新卒で入った会社を辞め、中途社員として入社をしました。

新卒で入社したのは、地元に本社のある大きくもなければ、小さくもない自動車部品の会社です。最初に配属されたのは総務部でした。午前10時と午後3時に、部署内の全員にお茶を入れる(この人はコーヒー、この人は緑茶、この人はほうじ茶など、厳格なルールあり)という、化石のような慣習のある会社でしたが、いかんせん新卒なので、「こういうものだ」と思って、平和な日々を過ごしていました。

そんな私が、なぜ転職を決意したか?

その理由は、「なんかもっとバリバリ働きたい!」から。

化石のような慣習2つ目ですが、1社目は「女性は一般職」「男性は総合職」という会社で、女性社員は基本的に部署の異動もありません。残業もほとんどなく、仕事の内容も毎日、毎週、毎月、毎年の繰り返し。今思えば、こんなに幸せなことはないのですが、27歳イケイケの私は「もっとバリバリ!」を求めてしまったわけです。

昔からフットワークだけは軽かったので、「バリバリ働く私」を妄想しながら、早速転職活動を開始しました。はてさて、世の中にはどんな仕事があるのか?も知らない私が、当時の最先端技術であるインターネットを駆使してたどり着いた「天職」。それは「人事採用のお仕事」でした。

大きくもなく小さくもない会社だったので、1社目では総務部内に採用担当がいました。大学生向けのセミナーや面接、外部の広告媒体会社と打ち合わせをする先輩を横目で見ていたので、何となくやっていることも分かりましたし、「セミナーで会った○○さんが素敵だったので、入社を決めました」とか言われたら、超嬉しいじゃん!というのが、正直な志望動機でした。

早速、「人事採用の仕事がしたいんです」と、人材紹介会社の門を叩いたところ、「未経験では無理!」とバッサリ・・・。「そっか〜」と素直に落ち込みましたが、対応してくれた人材紹介会社のコンサルタントのお姉さんが、スーツもバッチリ決まっていて、なんだかとってもかっこいい。私の思い描いていた「バリバリ働く女性」が、そのまんま目の前に現れた感じでした。

「そっか、こういう仕事もあるのね」と、高速で方向転換を行い、人材業界を目指してみることに。インターネットを駆使して情報を集めたところ、ちょうどその日が「中途採用説明会」の締め切りになっている会社を発見。「おお!ナイスタイミング!」で、説明会に申し込みをしました。

勘の良い方はお分かりかと思いますが、この時に説明会に参加したのが、今働いている会社です。中途採用の試験でも、また色々ありましたが、それはまた後日まとめてお話しします。

何が言いたいかというと、勢いとタイミングだけで、今の仕事に就いたんだよという話です。後に知ることですが、女性は27歳ぐらいになると、「私今のままでいいのかしら」シンドロームに陥り、「今の自分を変えたい!」と強く思うとか。まさにそれにドハマりしたのが、派遣業界に飛び込んだ理由です。

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派遣営業のお仕事〜ダイジェスト版〜

人材派遣業界に足を踏み入れて14年。営業になって5年目の私が、「派遣の営業って何してるの?」を、自己紹介がてらお伝えしていきます。

会社によっても違うと思いますが、私の働いている会社は、大きく分けて「営業」「コーディネーター」「事務」の3つの職種があります。それぞれ簡単に紹介しますね。

◆営業
・派遣先企業からの派遣依頼の受注
・職場見学会の同行
・就業初日の同行
・就業中の派遣スタッフの方との面談(フォロー、契約更新)
・契約書の作成、契約更新手続き
・新規顧客開拓(テレアポ、飛び込み)
・クレーム対応
・その他

◆コーディネーター
・新規で登録に来られる求職者の方との面談
・新規登録者の方の情報登録
・派遣依頼への求職者の方のマッチング
・WEB求人広告の作成
・その他

◆事務
・派遣スタッフの方の勤怠データの管理
・請求書のデータ管理、修正
・契約書の発送などの郵送業務
・備品類や販促品の在庫管理、発注
・その他

続いて、私が担当している「営業」の業務について、もう少し詳しくお話しします。

①派遣先企業からの派遣依頼の受注
派遣スタッフの方が「ここで働きたいか?」「ここで働けるか?」を判断するために必要な情報を、とにかく聞きまくります。あんまり聞き過ぎると嫌がられますし、企業さんが事実を言ってくれるとは限らないので、営業の勘や肌感覚も大事にしています。廊下ですれ違った社員の方が、挨拶を返してくれるか?どう見ても「お局な人」はいないか?トイレは洋式か和式か?など、見てない振りして、めっちゃ見ます。

②職場見学会の同行
極度の緊張状態で訪れる派遣スタッフの方の緊張をほぐし、地味に緊張している派遣先にも気を配り・・・派遣営業としての一番の力の見せ所です。現地で集合するのではなく、最寄り駅で待ち合わせをして、通勤ルートを一緒に歩くことで、緊張が和らげる効果に加えて「一緒に歩いてくれた人」として、ちょっと恩を売ったりしています。

③就業初日の同行
職場見学以上に緊張されている派遣スタッフの方を、就業場所まで送り届ける仕事です。会社によっては、入門の手続きが複雑だったりするのと、初日ならではのトラブル(詳しくは、また後日)もあるので、私は必ず同行しています。時期によっては、初日が何件も重なるので、ペアのコーディネーターに頼んだりすることもあります。

④就業中の派遣スタッフの方との面談
通常は更新確認のタイミングのみ(3ヶ月に1回)ですが、就業開始直後2週間ぐらいのタイミング、その他スタッフの方から呼ばれたらという随時のタイミングで、対面で面談を行います。「何も困ったことがない」というスタッフの方の場合は、ほぼほぼ雑談で終わります。逆に、「もう辞めたい」というシビアな話になることも。そういった相談を、早めに投げかけてもらうためにも、雑談という名の普段のコミュニケーションを大事にしています。

⑤契約書の作成、契約更新手続き
以外と多いのが、事務処理です。以前は、夕方に会社に戻ってから、一つ一つの契約の修正や更新の処理をしていましたが、今は社外に持ち出しているモバイル端末からの対応が可能になりました。残業時間も激減し、人間らしい暮らしが出来るようになりました。

⑥新規顧客開拓(テレアポ、飛び込み)
私が、一番苦手ないわゆる「営業活動」です(笑)。コロナの影響もあり、新規飛び込み営業は控えていましたが、会社からは「仕事をとってこい!」と容赦ない指示が出るため、月に数日「新規強化DAY」を設けて、地道にテレアポと飛び込みを行っています。だいたいは、門前払いをくらいますが、たまに採用担当者の方が出てきてくれて、「大変だね」なんて言ってもらうと、一発で恋に落ちます。

⑦クレーム対応
これが一番大変!と思われるかもしれませんが、それほど数は多くないですし、これがないと営業の存在意義がないような気がして、結構燃えます。「クレーム対応=クレームを受ける」ではなく、あるべき姿に戻していくという「改善」というイメージで対応しています。笑えるものから、笑えないものまで、たくさんのクレーム対応をしているので、それはまた後日書きます。

世間からの風当たりが強い派遣業界ですが、中で働いている人は、毎日毎月こんな感じで、真面目にコツコツ働いています。
意外と大変そう、意外と楽そうなど、みなさんのイメージとのギャップはありますか?

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